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早く更新しなければと思っていたが馬インフルエンザの件でそれどころでは無くなった。 レース結果の更新だけでなく、小倉競馬の馬房の件の続き。その他色々と更新しなければならないことも多く、コメントへの返事もサボってしまっているが、今一番皆さんが聞きたい事ではないかという判断で、レース結果を更新する前に今回の馬インフルエンザ騒動について私なりのコメントというか現時点での感想を書いておきます。 16日の早朝(3時頃)携帯電話のメールにJRAから発生の知らせと、とりあえずの馬の移動禁止措置の連絡が入る。 その後、美浦TCより携帯電話に口答での知らせが入る。『今後については不明だが随時お知らせできるように努めます』というような話だった。 直ぐに私は美浦、小倉、札幌、函館と分かれている各場のスタッフに連絡。厩舎でも管理に気をつけて何かあった時には知らせるように伝えた。 札幌に居た私は現時点での情報収集をしながら通常通り調教を行ったが、この時点ではあまり正確な情報が入っておらず、周りの人達の話も想像の域を超えている感じではなかった。 過去の馬インフルエンザでの開催中止を経験した人達の話を総合すると開催中止はやむなしという雰囲気。 ウチの厩舎ではこの日に検疫を受けて入厩する予定の馬が函館に1頭、札幌に2頭。その全ての馬が既に前日の時点で検疫厩舎に入厩していたので何とか入厩を認めて欲しいとお願いしたが、午後までには美浦TCを含む全ての検疫が中止される事が決定した。 たまたま今週の競馬の投票日当日だった事もあり、通常12時から14時半が新規登録受付のところ、14時からの受付に変更して開催へ向けてギリギリの調整が行われている事を感じさせた。 そして昨日の開催決定。私自身は開催は無理だろうと思っていたので、この時点での開催決定にとても安心した。 厩舎では札幌1頭(除外)、小倉1頭、そして新潟2頭(1頭除外)となったが、新潟で出走することになった一頭は当初来週の出走予定だったところを、状態、メンバー、距離そして来週以降の競馬開催が不明確という判断から急遽出走を決めた。 ただし今週の競馬開催もまだ不安定という判断から新潟への輸送はギリギリまで遅くして、場合によっては新潟競馬場にそのまま滞在する事もできるよう準備するよう指示。 今朝の調教時は開催できる事にホッとした雰囲気もあったが、意識して周りをみると確かに咳をしている馬が多いような気もした。 調教後に一転開催中止。拡大を防ぐためという事だが、今は一日も早い沈静化と来週以降無事に競馬開催できる事を願うしかない。 さて、今回の馬インフルエンザの件、とりあえず私の周囲での出来事を時系列で記してみたが、一般の方たちには良く分からない点もありマスコミを通じての報道でしか感じ取る事ができないと思うのでここからも私の知識の範囲内で一言。 今回の報道の中にはJRAを非難する記事も見受けられるが、私は今回のJRAの対処はBestでは無いかもしれないがBetterな措置だったと思う。 まずJRAは主催者なのだから投票日である以上は開催に向けて努力するのは当然。 前回の馬インフルエンザの時ように長期開催中止となれば私達内部の競馬関係者だけではなく、生産、育成といった外で競馬を支えている関係者、そして競馬に従事している多くの人達、競馬専門誌を始めとしたトラックマンの人達の生活も脅かされる。 そして馬主さんも。 厩舎に入厩していながら出走できない馬を抱え、経費が掛かるからといって牧場に放牧に出す事も、移動禁止措置のためにできない。 夏競馬真っ盛りで出張している馬などは余計に経費が掛かっている。 『まず開催ありき』という方針は主催者として当然で、しかし万全を期するために公正競馬ができるようにギリギリまで努力をしたのだと思う。 結果的には中止となってしまったのだが・・・・。 馬インフルエンザについて。 前回の流行依頼日本ではワクチンの接種が義務付けられていて、定期的に接種されていなければ検疫の時点で牧場に返されてしまう。 では何で今回のような事象が起きたかということだが、体力の低下とインフルエンザウィルスの変異が考えられる。 人間で考えてもらえれば分かるようにワクチンを接種しても発病することはありえます。 体力の低下やウィルスとワクチンが一致しなかった事が考えられるが、現在行われているワクチン接種も感染の拡大を防ぐという目的が第一。 従って今回の発症がJRAの不備によるものという報道はどうかなと思います。 確かにウィルスの変異が原因だった場合に、それを読みきれなかったといえばそうかも知れないが、人間の世界での状況を見てもらえれば分かるように、現実として発症馬ゼロという事を続けるのはなかなか難しいと思う。 ワクチンを接種した馬としていない馬の発症率は著しい差があるようで接種していない馬は極めて100%に近い発症。接種をしていると30〜40%位との報告がある。 ワクチンを接種していないと恐ろしい速さで伝播するので、ワクチンを接種しただけの効果は見られているといっていい。 つまり前回の長期開催中止以来、JRAが行ってきた検疫体制で発症が抑えられているのは事実。もちろん今後ほ極めてゼロに近づける努力は続けて欲しいが・・・・。 ただ、競馬開催についてはそういった検疫体制と発症率から考えて開催できるだけの状態にあると判断したはずが、実際に確証を期すために行った検査で、出馬投票で出走が確定した馬から想像以上に感染馬が出たので中止やむなしとなったのだろう。 そういった意味で想像すると、変異したウィルスが何らかの原因で蔓延し、抗体を持った馬の中で体力的に抵抗できない要素を持った馬が咳、鼻汁、発熱などの症状を発症していると言う事が考えられます。 実際いまトレーニングセンターや競馬場の中にはウィルスが蔓延しているはず。 今回の馬インフルエンザのようにワクチン接種は無いが、入厩してきた馬の中で調教が進んで辛い時期になって体力が落ちてくると皮膚病が出てくる馬が多い。 これもあちこちに蔓延している皮膚病の細菌に普段の体力では発症しない馬が、今回のインフルエンザと同じように体力が落ちて一時的に抵抗力が落ちる事が原因だ。 そんなわけで大まかに考えてみて、JRAのいままでの対応についてあまり批判的な記事を見るとちょっと酷いなという気持ちになる。 ワクチンを接種して何年も発症例が無かったので私達を含めて内部の人間は安心していた部分はあると思う。そういった点でもう少し感染する頭数を防げたのではという気持ちはあるがそれは今後の課題であろう。 たまたま今回は投票日当日に発症を確認するスケジュールになってしまったため慌しく2転3転してはしまったが最初に書いたようにBetterな対応はできていると思う。 我々にとっては木曜日の朝3時から始まった馬インフルエンザ騒動。きっとJRAの職員さんたちは前日から徹夜で、深夜に呼び出されたりもして対処に追われていたと思うし、いまだに何かあればきちんと連絡が来るし説明もしてもらえる。 公正競馬についての記事もあった。 『負けてしまった馬がインフルエンザ感染していたらどうする』というような考えだろうが通常の競馬でも多かれ少なかれ不安を抱えながら競馬をやっている馬はいる。 肢元であったり、口向きだったり、筋肉の張りだったり、中にはいつもよりは熱が高めだが熱発まではなっていない。これらの出走判断は全ての場合が厩舎の判断に委ねられているが、問題がある馬の出走を水際で食い止めるための対処も常時行っている。 熱発を隠して出走させたり馬インフルエンザだと知っていながら出走させるようなケースが生まれればもちろん公正競馬に問題ありだ。 今回はいつもと違って馬インフルエンザという特別なケースだっただけに疑いのある馬についてより公正を期すために出走予定馬の検査に踏み切って、結果的に中止となってしまったのだ。 ただし、こうなってしまった以上今後抱えている課題は多い。 まず、時期的に期限が迫った未勝利競走をどうするか。今週、来週と入厩予定だった馬たちは最後の未勝利に照準を合わせていた馬も多く入退厩ができないだけでなく競馬も行われない現状ではどうなってしまうのか想像もつかない。 そして中止となった競馬開催をどうするのか、代替開催になるのか、番組をどこかに振り分けるのか。おそらくJRAとしては、いつ再開するかどこで正常と判断するのかと併せて凄く難しい判断を迫られると思うができるだけ多くの人達が納得いくような配慮をお願いしたいと思います。 馬インフルエンザは届出伝染病ではあるが法定伝染病ではないため、拡大を防ぐという事を条件に開催はJRAに一任されていると聞く。 検査キットの数が追いつかず現時点では疑いのある馬優先での検査となっているが、近いうち全頭検査が行われるだろう。 とにかく一日も早く通常に戻って欲しい。 |
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| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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[競馬雑記]馬インフルエンザ騒動、トレセン内での動向と見解。
●馬インフルエンザについて 小島茂之厩舎の本音(公式ブログ)/ウェブリブログ ▼日々貴重な情報をブログで公開されている小島茂師の、今回の馬インフルエンザ騒動に関する報告と見解。第一報から開催中止までのトレセン内部での経緯について、時系列で分かりやすく説明され ...続きを見る |
傍観罪で終身刑 2007/08/18 08:15 |
猛威 馬インフルエンザ
すでに報道されているように大変なことになっています。小島茂師からも発症が報じられた早朝にメールにて連絡があり相変わらずの連絡の素早さに感心しました。こういうときは先に報道で知って不安に思うよりも現場の調教師から適宜連絡いただけると平静でいられるものです。.... ...続きを見る |
日本中央競馬会 個人馬主のブログ 2007/08/18 09:27 |
馬インフルエンザの影響その2
馬インフルエンザの影響はいろいろ出てきていますね。 大井競馬も中止となりました。... ...続きを見る |
喫茶・逍遙馬道・別館 2007/08/18 15:13 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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小島先生、大変な状況の中でブログの更新ありがとうございます。 |
のすとら 2007/08/17 22:40 |
お忙しい中、詳しく今回の件の話をありがとうございます。 |
ななし 2007/08/17 23:06 |
お忙しい中の更新ありがとうございます。調教師向け説明会でも話が出たかもしれませんが、読者の皆さんのために書きますと、今回のウイルスはウマ2型(H3N8)ではあるものの、既存のワクチンに盛られているものと微妙に違う部分があり、それが発症を押さえられていない一方、発症率が低く発症した場合の症状が軽いという微妙な状況を生んでいるようです。 |
須田鷹雄 2007/08/17 23:28 |
小島(茂)先生、早速馬インフルエンザの件をブログで取り扱っていただきありがとうございます。新聞くらいでしか情報が得えられないので、今回の馬インフルエンザの件、JRAの対応についてよくわかりました。最終的には開催中止になってしまいましたが、確かにbetterな選択だったんでしょうね。 |
ナエトル 2007/08/18 02:06 |
小島先生、忙しい中の詳しい情報提供ありがとうございます。マスコミの具体的な表現が見えてこない発表の中、ヤキモキしていましたが、ある程度の自体は飲み込めました。JRAの対応についてはベストではないものの、確かにいたしかたない段取りであったように私も思います。ウイルスなどの専門的知識は素人目ではうまく理解できませんが、ワクチンの効力が疑われるほどのものですから、ある意味では新種のウイルスみたいなものなのかと...。ここ最近の猛暑(異常気象)も関係してそうです。まだまだ再開までの道のりは遠そうですが、できるだけ早期の競馬の再開・また馬達の健康をを祈っております。 |
ジョン・ガリレオ 2007/08/18 02:15 |
小島先生、ゆっくり読ませていただきました。 |
どら 2007/08/18 06:03 |
先生、お忙しいのに今回の件のコメント有難うございます。 |
kappa 2007/08/18 11:13 |
いつも読ませて頂いていますが、コメントは初めてです。 |
やぎ 2007/08/18 16:32 |
のすとらさん少しでも参考になって役に立てたのなら嬉しいです。 |
調教師 2007/08/18 21:09 |
ナエトルさん有難うございます。 |
調教師 2007/08/18 21:18 |
kappaさん有難うございます。 |
調教師 2007/08/18 21:26 |
馬のインフルエンザが発症しましたね。昔ワクチンの研究をしたときのことですが正常の環境では初症しない動物でも環境が変わると発症することがあります。今回のように異常な気温で馬の体力が落ちているときには発症することがあります。ワクチンはウイルスを弱毒化したものですか。 |
熊五郎3歳 2007/08/18 21:55 |
小島先生、興味深く読ませていただきました。 |
TARO 2007/08/19 02:18 |
熊五郎3歳さんコメント有難うございます。 |
調教師 2007/08/19 14:57 |
先生、皆様、貴重な情報を拝読でき、嬉しく思います。 |
ネオ@横浜 2007/08/21 13:44 |
小島先生、はじめまして。 |
Hiro1971 2007/08/21 19:28 |
ネオ@横浜さん、Hiro1971さんコメント有難うございます。 |
調教師 2007/08/21 23:29 |
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調教師 2007/08/21 23:30 |
「…私達内部の競馬関係者だけではなく、生産、育成といった外で競馬を支えている関係者、そして競馬に従事している多くの人達、競馬専門誌を始めとしたトラックマンの人達の生活も脅かされる。 |
SA 2007/08/27 23:35 |
SAさん不思議な思いをさせてしまったようで・・・。 |
調教師 2007/08/31 23:32 |
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